相続登記の委任状はいつ必要?作成方法や注意点などを解説!
みなさんこんにちは!
静岡市の不動産会社、ライフステーションの小田です。
土地や建物などの不動産を相続したら、相続登記の手続きが必要になります。
原則として登記手続きは本人が行うものですが、手続きを他人に代行してもらう場合には委任状が必要となります。
今回は、相続登記の際に委任状が必要となる具体的なケースや、委任状の作成方法などについてご紹介します。
相続登記の委任状を作成する際に注意する点などもお伝えしますね。
相続登記の委任状とは?どんなときに必要?
まず相続登記とは、不動産を相続したときに行う不動産の所有権移転登記の手続きのことです。
いわゆる「名義変更」で、不動産の所有権を被相続人から相続人へ変更します。
登記手続きは、原則的に本人による手続きが必要です。
しかし、本人が忙しくて手続きをする時間がない、よくわからないから司法書士などの専門家に任せたいなど、本人以外が相続登記の手続きをする場合に委任状が必要となります。
また、相続人が複数人いて不動産を共有で相続したときは、登記手続きには全員の同席が必要です。
このようなときも、委任状を用意することで代表者や司法書士などへ手続きを委任することができます。
相続登記の委任状は、相続人本人以外が相続登記を行う場合で必要になると覚えておきましょう。
ただし、例外として本人以外が登記手続きを代行しても委任状が不要な以下のケースがあります。
- 親権者が未成年の子に代わって行う
- 身寄りのない未成年についている未成年後見人が代わって行う
- 判断能力がないと判断された人についている成年後見人が代わって行う
これらは「法定代理人」といって、本人の代わりに色々な判断や手続きを行っても良いと法的に認められているものです。
このようなケースでは親子関係や、後見制度の対象であることを証明する書類にて手続きを代行することができます。
相続登記は「相続してから●日以内に手続きをする」といった期限がないので、忘れがちです。
しかし、相続があったときにはできるだけ早く相続登記をすることをおすすめします。
こちらのコラムでは相続登記をしないデメリットなどを紹介していますので、ぜひご覧ください。
相続登記をしない場合の固定資産税は誰が支払う?デメリットも紹介
相続登記の委任状の記載内容や作成方法
相続登記の委任状では「代理人へ相続登記の手続きについて委任する」という旨が記載されます。
具体的に、どんな項目を記載して作成すべきかご紹介しますね。
代理人
手続きを委任する相手の名前と住所を記載します。
住所は、住民票に記載されている正確な住所を記載しましょう。
相続登記の手続きを相手へ委任する旨
「下記登記申請に関する一切の件を委任する」と記し、その下に具体的な内容を書いていきます。
登記の目的
登記の目的は「所有権移転」です。
もしも、被相続人が不動産を共有で所有していた場合は持ち分の移転ですので、「(被相続人名前)持ち分全部移転」と記載します。
登記の原因
相続による登記なので、「相続開始の年月日(死亡日) 相続」と記載します。
被相続人と相続人の名前
被相続人の名前と、相続人の住所氏名を記載します。
住所は住民票に記載の形で書き写してください。
不動産の情報
相続する不動産の下記情報を細かく記載します。
- 不動産番号
- 所在
- 地番
- 地目
- 地積
共有持分の相続の場合は、持分割合も記載します。
詳細情報を正確に記載するために、法務局で不動産の登記事項証明書を取得しておきましょう。
補足
相続登記手続きそのもののほか、登記にかかわる付随業務などについても委任する旨を記載しておきます。
手続き後に書類を請求したり、費用の振り込みや還付などが必要となることがあるからです。
委任者
委任状を作成した日付、委任者の氏名、住所を記載し、押印します。
印鑑は実印である必要はありません。
司法書士などへ委任する場合は、委任状は司法書士が作成してくれます。
内容を確認して、署名、押印をすれば作成完了です。
登記手続きは自分で行うこともでき、その場合は委任状は不要です。
相続登記を自分で行う場合の流れや必要書類などは、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
相続登記の委任状作成の注意点
相続登記の委任状を作成するときは、下記の3点に注意してください。
【注意点1】正確に記載するため各種書類を準備しておく
委任状に記載する住所や不動産の情報は、正確なものを正確な形で記載しなくてはいけません。
住所も省略して覚えていたりなど、意外と住民票に登録されている正確な形を覚えていない場合もあります。
不動産の詳細情報などは、登記情報を確認しないとわからないものもあります。
正確な情報を記載するためにも、以下の書類を事前に取得しておきましょう。
相続登記の手続きにも必要となる書類ばかりです。
- 本人の住民票
- 被相続人の戸籍謄本
- 遺産分割協議書や遺言書など
- 不動産の登記事項証明書
【注意点2】白紙委任状は避ける
白紙委任状とは、記載が必要な項目について空欄のまま作成する委任状です。
たとえば代理人の名前や委任内容、不動産情報の欄を空けたまま作成しておき、後に情報を書き加えることで完成させることができます。
内容が決まっていないけど委任状を作ってしまいたい!というときには便利ですが、これにはリスクも。
空欄に想定外の内容を書き加えられ、損害を受けてしまうトラブルもあるからです。
なるべく避けたほうが無難でしょう。
【注意点3】書き間違いは訂正印で修正する
委任状の内容を間違えてしまった場合、修正液などで訂正はできません。
間違え部分に二重線を引いてその上に押印をし、正しい内容に訂正してください。
訂正印で使う印鑑は署名捺印で使ったものと同じものを押しましょう。
「捨印」といって、委任状の余白部分にあらかじめ訂正用の押印をしておく方法もあります。
ただし、これも内容を勝手に変更されてしまう可能性があることを理解しておきましょう。
司法書士など信頼のおける専門家に依頼する場合には良いと思います。
まとめ
・相続登記の手続きを他人にお願いする場合には委任状が必要
不動産を相続したら所有権移転の手続きが必要で、これを相続登記といいます。登記手続きを本人以外が行う場合には、委任状が必要となります。
・相続登記の委任状に記載する内容
相続登記の委任状には、代理人の名前、委任する内容、登記の目的や原因、不動産の詳細情報などを記載します。詳細を正確に記載する必要があります。司法書士へ委任する場合は、司法書士が作成してくれるでしょう。
・相続登記の委任状を作成する際の注意点
委任状へは正確な情報を記載しなくてはいけないので、事前に戸籍謄本や登記情報などの書類を取得しておきましょう。内容が決まっていないからといって白紙委任状を作成するのは、トラブルにつながる可能性もあるので避けたほうが無難です。内容を間違えてしまったときは訂正印で訂正もできます。
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