非居住者から不動産を購入した場合の源泉徴収義務とは?
2025.01.04
非居住者から不動産を購入した場合の源泉徴収義務とは?
不動産の売買では、売主が日本に住んでいない非居住者の場合、購入者には特別な税務手続きが必要になります。その中でも重要なのが「源泉徴収義務」です。この記事では、非居住者から不動産を購入する際のポイントや、知らなかった場合の対処法について解説します。
1. 源泉徴収義務とは?
日本では、非居住者が日本国内の不動産を売却して得た所得に対して課税が行われます。このため、不動産を購入する人(購入者)に、売買代金の10.21%を源泉徴収して税務署に納める義務があります。
簡単な流れ:
- 売買代金のうち、10.21%を差し引きます。
- 差し引いた金額を税務署に納付します(不動産の引渡し月の翌月10日まで)。
- 売主(非居住者)に「支払調書」を交付します。
これを怠ると、購入者がその金額を税務署に納める責任を負うことになります。
2. 売主が非居住者と知らなかった場合は?
もし売主が非居住者だと知らずに手続きを進めてしまった場合でも、購入者の源泉徴収義務は免除されません。税務署から指摘されると、未納分を購入者自身が支払う必要があり、さらに延滞税や加算税が課される可能性があります。
3. 取引前に確認すべきポイント
こうしたトラブルを防ぐためには、取引前に以下の確認を行うことが重要です:
- 売主の居住状況の確認
売主に住民票や納税証明書の提示を求め、日本国内に居住しているかを確認しましょう。 - 専門家への相談
非居住者との取引は手続きが複雑なため、不動産業者や税理士に相談することでリスクを軽減できます。
4. 知らなかった場合の対処法
取引後に売主が非居住者だと判明した場合は、速やかに以下の対応を行いましょう:
- 税務署に相談する
事実を正直に伝え、必要な手続きを確認します。 - 未納分の納付
源泉徴収分を速やかに税務署に納め、延滞税や加算税が発生している場合はその分も対応します。
5. 源泉徴収が免除されるケース
売主が事前に納税管理人を指定している場合、一定の手続きを経ることで源泉徴収が免除される場合があります。この場合、売主または購入者が税務署に申請し、「非課税証明書」または「源泉徴収免除証明書」を取得する必要があります。
まとめ
非居住者から不動産を購入する際には、購入者に源泉徴収義務が発生します。売主が非居住者であることを知らなかった場合でも、購入者が責任を負うため、事前にしっかりと確認を行うことが大切です。トラブルを防ぐために、不動産取引では専門家の力を借りることをおすすめします。